【苗場福祉会】特別講演会 恩藏絢子先生「脳科学者の私と認知症の母」
令和6年度の新潟県認知症介護実践者研修カリキュラムが終了し、最後に特別講演会を開きました。
今年は受講生や関係者以外にも広くお知らせをして・・・その結果!受講生41名含めて160名を超す参加者となりました。
講師は恩藏絢子先生をお招きし「脳科学者の私と認知症の母」と題し、アルツハイマー型認知症と診断されたお母様との暮らしのなかで、娘としての視点から気づいたことや脳科学者としての視点から分析したことなどを語っていただきました。
恩藏先生は自意識と感情の研究を専門とされる脳科学者で、全国各地でのご講演や海外の学会で活躍されていて、多数の著書もあり、NHKのドキュメンタリーでもお母様との日々が紹介され大きな反響を呼びました。
経歴や脳科学者という肩書から難しく固いお話が想像されてしまいますが、恩藏先生はとてもとてもチャーミングな方で、体いっぱい使ってお話してくださったり、思わずこちらも微笑んでしまうような笑顔を見せてくださり、わかりやすい語り口に来場者はどんどん引き込まれてゆきました。
認知症の人は「なんにもわからない人じゃない」、脳の海馬が傷ついて「その場ではわかっているけど、忘れてしまうだけ」「言われたことを理解できているのに、言葉で語ることが難しくなってしまっただけ」など、認知症がその人らしさや感情まで奪い去るのではないことを知ることができました。
頭の中にはたくさんの思い出や記憶が残っているけれど、うまく取り出せなくなっているだけで、何かのきっかけで引き出せることもあるそうです。そして、感情が大きく動いた経験は強く記憶に残るというお話がありました。
食事のときにお母様が「チビちゃん」を探したエピソードが胸に響きました。お母様にとっては小さな頃の恩蔵先生と楽しく幸せな食卓を囲んだことが忘れることのない大事な記憶として残っていて、今も一緒にご飯を食べようと気にして「チビちゃんはどこ?」と探していた…とても深い愛情を感じるお話です。
またいつか恩藏先生からご講演いただけることを願っています。
さて、この講演会で認知症介護実践者研修のすべての日程が終了いたしました。解散前にすべての受講生へ担当指導者から修了証が授与されました。
受講生のみなさまお疲れ様でした。
<2024.11.04 法人管理部 受託研修事務局>